2012年6月11日月曜日

MBA事前学習(企業理解:ファーストリテイリング)

日本企業の理解を深めるということで、ファーストリテイリングについて。
数年前に、柳井氏の著作、一勝九敗 を読みましたが、

 

柳井氏本人の著作ということに加え、当時(2003年)はフリースブーム全開中だったということもあり、

「小さな商店からコツコツ苦労して成功した、改革して成功した、フリース成功した、もっともっと成功するぞ!」

っていうノリノリな状態でカリスマ全開でした。

今回、数年前に出版された柳井氏の著作、成功は一日で捨て去れ を読もうかと思いきや、



↑は2009年出版ということなんで
「フリースの後いろいろあったけどヒートテック成功した、うぉーーーー!」

に違いない(想像)、ということで回避し、少し毛色の違うこちらを読みました。




表紙の雰囲気からも分かる通り、週刊○○とかにありがちなルポですルポ。

ただし、表紙や題名のうさんくささとは裏腹にファーストリテイリングという企業の発祥や、これまでの経緯について、また、著者が衣料品小売業にもともと精通していないということで既存のビジネス構造やユニクロがそれらと比較してどうなのかといったところもとてもよく理解できるように描かれています。

加えて、もともと著者のモチベーションが柳井氏ってどんな人?ってところから来てるだけあって、
柳井氏の過去の発言や直接インタビューなどを織り交ぜながら正味の人物像に迫っていくところ
は読み物として面白いです。

「ユニクロのすごさ、柳井氏の経営センスを認めつつ、柳井氏個人に端を発する経営的な欠陥(後継者問題や経営体制の問題、人材育成や過酷な労働環境といったコンプライアンス的な問題)をチクリチクリと刺しながら、最終的には柳井氏いなくなったら終わりでしょ、つーかもうやばいんじゃないの?」

という導線に導いていきます。

いやいや、そうは言っても
  • フリース、ヒートテック、ブラトップとヒットを飛ばしまくり、 このご時世に毎期売上2桁成長させ、売上高経常利益率も2桁台をキープ。
  • 既存衣料品小売業の構造(製造メーカー主導で商社や卸業者が仲介に入り、販売との間で利益配分する)から販売主体が主導権を握って在庫と価格をコントロールするというSPA構造に大きく変革。
  • SPAを独自深化させ、製造現場のみならず原材料調達までコントロールし、「高品質な原材料調達」と「需要に合わせたフレキシブルな製造ライン」によって、高品質低価格を実現させたこと。
といったところは、柳井氏の経営手腕によるところが大きく、筆者のチクチクは決定打に欠けます。

が、最終章付近でユニクロの今後を考えていく上で、

  • ユニクロがSPAを実現する上のお手本としたGAPの凋落
  • ユニクロが目指すべき競合他社と認定し、売上高では2倍の差をつけられているZARAとのビジネスモデルの大きな違い、そしてそれによる収益構造の違い。
  • SPAモデルそして大量生産低価格路線を標榜し続ける限りつきまとう、在庫との戦い、コスト削減との戦い、そしてSPAビジネスモデルの限界。
だからZARA >>>>> ユニクロ なんだ!
ユニクロはもうおしまいなんだ!
というくだり(そこまで言ってないけど)には著者の執念すら感じました。

読み物としてすごくおもしろいです。

最新の決算的にも増収減益で芳しくなく、折しもこんな記事も出ているあたり、

今後の動きに要注目ですね。


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