2018年6月6日水曜日

[書評メモ] Hit Refresh

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)

2014年からMicrosoft CEOになったサティア・ナデラの生い立ちからMicrosoftでのこれまで、そしてMicrosoftのCEOとしての彼の変革のビジョン、これから向かっていく先、その根底にある思想などを丁寧に詳細に綴っている。

僕は仕事での関わりから"MicrosoftがクラウドやAIの分野に力を入れている"というのは認識しているけれど、世の中的にはMicrosoftといえば、ビル・ゲイツ、Microsoftと言えばWindowsという認知ではないだろうか?

サティアは、WindowsというOSブランドを中心として囲い込むドミナント戦略から、顧客を中心として、Microsoftという企業ブランドから発信されるクラウドとモバイルのアプリケーションにシフトし、様々なハードやソフトウェアプラットフォーム上と融合して価値を提供していくオープン戦略への変革を熱く語る

自社のブランドや戦略に関する世の中のイメージをHit Refreshする一冊。

[詳細]

ここ数年シリコンバレーのテックでもGoogleのスンダー・ピチャイ、Adobeのシャンタヌ・ナラヤンなどインド出身のCEOに継投されることが多く、CEOという形で表に見えなくても特に技術責任者レイヤーのインド出身者率は高い。

本の前半はサティアの生い立ちが綴られているが、インドの工学系大学で学び、渡米してアメリカの大学院で学ぶという、いわゆるインドの優秀なエンジニアの本流の道?を歩んでおり、どのような家庭でどのような教育を受け、エンジニアとしてのキャリアを積んでいくのか?という観点で読むと面白い。

中盤から終盤にかけては、CEOとしてMicrosoftの歩むべき道や思想、ビジョンと言ったところが熱く語られている。サティアはかつてWindows OSで占領戦略を取っていたMicrosoftの中で亜流だったクラウド事業でキャリアを積み、CEOになる直前にはクラウド事業を率いていた。2000年代のMicrosoftの会社としての苦難とその間のApple、Google、Facebookと言った新興企業の台頭や世の中の変化をMicrosoftの中でも中心ではなく辺縁から客観的に捉えており、その観点でも変革への思いが強くあったのだろうと読み取れる。

最近のテック企業にも通づるが "顧客中心", "多様性", "企業として統合して価値提供"を強くメッセージングしており、また将来のテクノロジーとして"複合現実(MR)", "AI", "量子コンピュータ" という分野に強く力を入れていく、というところも社内へのメッセージングも含めて、サティアの考えを余すところなく伝えたいという意思を感じる。

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